今回は、携帯電話などの便利なコミュニケーションツールのない世界に転生した場合、
通信技術を整備することが可能であるのかということを考察しました。
突如異世界転生することになった、異世界で領地を任されることになった場合や、
そういった小説を書きたいと思っている方に、
異世界でも実現可能性の高い通信技術である、「腕木通信」というものをご紹介いたします。
現代知識:腕木通信
腕木通信とは、3本の木の棒を操作し、文字を表現する通信方法です。
「A~Z」「1~9」「&」を表すことが可能です。
現実世界の話をすると、
18世紀のフランスで実用されたことが代表的で、
あのナポレオンが熱心に整備を進めたことでも有名です。
腕木通信はどんなもの?
では、実際に腕木通信がどのようなものなのかをご紹介します。
前段で3本の木を操作して文字を表現すると説明しましたが、
ウィキペディアにわかりやすい画像があったので以下に引用させていただきました。
ウィキペディア参照 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%95%E6%9C%A8%E9%80%9A%E4%BF%A1
パブリック・ドメイン, リンク
この画像の様に、1つの木に2本の腕がついているような建物を建て、
望遠鏡等で腕木の形を確認することで文字を伝えます。
言ってしまえば、大型の手旗信号ですね。
通信速度はどれくらい?
腕木通信の運用を検討していたフランスは、
パリ郊外の25kmの間で、公開実験を行いました。
結果は、
28文字を11分で送信することが可能という実証がされました。
この結果をうけ、初期の検討段階では疑問視されていた腕木通信ですが、
本格的に制度として取り入れることが決まったのです。
腕木通信の異世界での実現性
結論からいうと、
実現性は高いと考えます。
というのも、必要なものとして考えられるものが、
施設面で、建物と木
教育面で、腕木の形が何を表すかを教育するコスト
上記のもの程度ですので、実現性は決して低くありません。
また、教育面でのコストについても、実は腕木の形を暗記する必要はありません、
なぜなら、各建物に形と表す文字の一覧表を置いておけば、それで済む話だからです。
腕木通信で軍事チート
この腕木通信の整備が出来ると現代知識を用いて、軍事チートが可能になります。
通信技術で軍事チートなんて大げさじゃない?
そんなことはありません。
前段で通信速度について簡単に述べさせていただきましたが、
腕木通信を行うための施設が10マイル(約16km)ごとに必要になります。
ですが、それらを活用すると、
実際の距離(フランスの場合)で、
パリ – リール間の約230kmを、わずか2分で通信が出来てしまいます。
中世ヨーロッパ風の異世界で、馬が伝達手段ということであれば、
替えの馬を用意しながら、無理に進んでも丸一日かかる距離となります。
自軍が腕木通信、敵軍が早馬での通信という戦いになれば、
情報戦のみならず、現場への指揮の伝達速度も圧倒的であるため
軍事チートが可能ということになります。
腕木通信の注意点
この腕木通信ですが、考えられる時代感を思えば、チートの様に感じられますが、
大事な注意点があります。
それは、以下の2点です。
- 情報の改ざん
- 情報の秘匿が不可
これはどういうことかと言うと、
まず、1点目の情報の改ざんについてですが、
腕木通信で内容を送信する設備が、通信のための施設だとすぐにわかってしまうために、
発信者側が敵に寝返っていた、もしくは敵がこちらに情報を発信してきた場合、
受信側は誤った情報をつかまされることとなってしまいます。
続いて、2点目の情報秘匿が不可についても、1点目と同様で
腕木通信の施設だと周りの住民も把握しているため、
頭の良い住民は通信内容がわかってしまいます。
やはり芳しくない情報等は、
民衆の耳に入れたくないという上層部の考えもあるはずなので、
民衆に対しては、腕木が表す意味については秘匿する必要があります。
あとは、人の目視で情報を確認するため、
悪天候時には使用できないなど、環境による使用制限についても注意をしなくてはいけません。
上記注意点がありますが、現代で使用される電気通信網が発明されるまでは、
情報の伝送量、通信速度、通信可能な距離といった点で優れた通信手段だったという歴史があるため、
異世界での通信について考えた際には、ぜひ参考にしていただきたい。
まとめ
腕木通信は、原始的ではあるが、
情報量、通信速度、通信可能距離といった観点で優れた通信手段であり、
異世界でも実現可能性が非常に高い現代知識であると言えます。
注意点に気をつけて使用すれば、軍事チートも可能であるため
ぜひ参考にしてみてください。
他にも異世界に言った場合に使用できそうな現代知識についての記事も記載していますので、
良かったら、そちらも見てみてください。
それでは。
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