異世界に転生、もしくは転移した時の準備はできていますか?
ほとんどの場合、突発的なイベントなるため、
衣食住は現地調達になってしまいます。
この記事では異世界、もしくは戦国時代に行ったときでも
安心して使える現代知識ご紹介します。
また、知識チートものの小説を執筆しようとしているクリエイターさんは
ご自身が作り上げた世界観の中で、
使いやすい知識でかつ再現性の高いものを選択したので
参考にしていただけるかなと思います。
異世界でも使える可能性の高い現代知識
ライトノベルでよく見かける現代知識チートもの。
小説内の現象や物質の原理を理解していますか。
その現象、物質の仕組みを理解することで、異世界でも活用できる現代知識となります。
では早速、原理と収集方法についてご紹介していきます。
現代知識:黒色火薬
火薬は、転移先の異世界が中世ヨーロッパ風の世界、もしくは戦国時代だとしても
生成方法の知識は大いに活用できると思います。
今回は火薬の中でも、最も古い黒色火薬をご紹介します。
大切なのは黒色火薬をつくる原料の配分!
原料と割合は以下です。
- 硫黄 15~20%
- 炭 10~20%
- 硝石 60~70%
硝石の比率が低すぎると、燃焼の速度がおそくなることで、爆発が起きません。
また、硝石の割合が50%以下だと、燃焼はするけれども、爆発にはなりません。
つまり、硝石の割合が結構大事になります。
硫黄・炭・硝石の配合は以下の手順で行います。
①それぞれの原料をパウダー状になるまですり潰す。
②椀2杯ほどの水をいれ、さらにすり潰す。
※混ぜる際は木を使用しましょう。石のすり鉢を使うと不意に出た火花などで爆発が起きてしまいます。
③乾いてきたら、水を少しずつ追加し、すり潰し続ける。
④生乾きの状態の火薬を、小さな豆粒状にして、天日干しで乾かす。
作成方法については、そこまで複雑なことはやっていないので難しくないと思います。
原料(硫黄・炭・硝石)の収集方法
原料は前段で記載した、硫黄・炭・硝石です。
それぞれの収集方法については以下です。
硝石については、収集方法の難易度が高いため、少し細かく記載しています。
硫黄の収集
硫黄の収集はそこまで難しくない。
火山の噴出口の近くであるならば、自然に存在しています。
また仮に異世界転生が、日本の戦国時代といった場合は、
箱根の大湧谷などに向かい、地面が黄色くなっているところから硫黄を収集できます。
他にも群馬県の万座温泉なども硫黄を含む温泉として有名なので、把握しておくと良いでしょう。
炭の収集方法
炭の収集自体は、硫黄よりも簡単です。
木を切り、炭焼きをして炭にすれば、それだけで得ることできます。
炭にした木の種類によって、火薬にしたときの性能に差がでますが、
それは異世界で試してみてください。
ちなみに、ハシバミやハンノキ、柳など比較的柔らかい木の木炭が硫黄や硝石と混ざりやすいので、火薬作成に適しています。
硝石の収集方法
硝石(もっといえば、硝酸カリウム)を収集する難易度は高いです。
硝石は自然界にも存在しています。
自然界では、アンモニアなどの窒素化合物が、自然界に存在する菌(硝化菌)によって、
硝酸イオンに変わり、土の中のカリウムと結びついて硝酸カリウムとなります。
ただし!
硝酸カリウムは水溶性のため、上記の方法で地中に生成された硝酸カリウムは、
雨が降ると流れてしまいます。
加えて、硝酸カリウムは植物にとっては栄養素となるため、
植物があるところでは、硝酸カリウムをほとんど収集することはできません。
つまり、必要な環境は以下の2つです。
①雨が降らないこと
②植物がないところ
具体的好まれる場所としては、建物の床下やコウモリがいるような洞窟、
ダンジョンが存在する異世界であれば、ダンジョン内などは雨も降らず、植物もないイメージなので、硝酸カリウムを溜めやすい環境と言えるでしょう。
硝石の生成方法
江戸時代の硝石生成法をご紹介します。
- 硝酸カリウムを含む土を、雨のかからない建物下や洞窟に集める
- 集めた土を水で洗う(硝酸カリウムが水溶性なので、洗浄している水に溶けだす)
- 硝酸カリウムが溶け出した水に、灰(酸化カリウム)を混ぜると、硝酸カルシウムも硝酸カリウムに変化する
- この水をろ過、濃縮し、静かに置いておくと硝石が生成される
イメージだと以下のようになります。
ちなみに硝石の生成量は、初めに集めた土の重量の1%以下です。
しかも一度硝石を生成した土から、再度硝石を生成できるまでにかかる時間は約20年です。
20年って、圧倒的に効率悪いじゃん!
これだと異世界に行ったって現代知識チートで無双できないよ!
筆者も同感でした。
ただあくまでも、自然界の硝酸カリウムを含む土を使用する場合の生成方法です。
続いて、人工的に硝酸カリウムを含む土を作り出す方法をご紹介します。
- 籾殻など植物の捨てる部分を集める。(蕎麦・稗・麻など硝酸基が多く含まれる植物ならなお良い)
- 麻畑の土を用意する(硝化菌の用意)
- 雨に濡れないように、小屋の中で、植物屑と土と人間の尿を混ぜる
- 時々、混ぜ返して空気が奥まで通るようにする、混ぜ返しの際に、新たな糞尿を追加する
- 数年で硝酸カリウムを含んだ土ができる(自然界の土を使用するよりも硝石の生成量が多かった)
※とてつもない悪臭と向き合わなくてはならない作業ですので、ご注意ください。
実行するには、相応の覚悟が必要になるが、
もし実行できるのなら、
異世界でも一財産を築けるだろうし、
戦国時代であれば織田信長ですらあなたに一目置くはずです。
ちなみにチリのアタカマ砂漠に硝酸ナトリウムの大鉱床があります。
同じ地球に転生した場合は、そこに赴くのも良いのではないかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
人工的に生成が難しいですが、重火器を使用する世界、時代に転生した場合は、
非常に活用しやすい知識ではないかと思います。
総じて重火器を扱う人物は権力者であることも多いので、
権力者に近づくという意味でも火薬の生成方法を知っていると
異世界では大いに役に立つと思います。
楽しい異世界ライフを。
それでは。
当記事は以下の著書を参考に記載しております。
『現代知識チートマニュアル』 山北 篤
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