丁寧な仕事ぶりと高い技術力が、世界からも高い評価を受ける日本ですが、
一方で「資源」については、海外への依存度が高いです。
日本国内には資源がない、それはしょうがないことだとどこか諦めていました。
オイルマネーを潤沢に持っている国をどこかうらやましく思っていました。
諦めていた道を、切り開こうとしている企業があります。
海や湖、池や田んぼなど地球のいたるところに生息している
体長約0.05mmのミドリムシの持つ可能性を追求している、株式会社ユーグレナをご紹介します。
ユーグレナってどんな企業
まずは簡単にミドリムシの概要について、紹介します。
実はミドリムシは培養方法によって、体内に軽油に近い油を作り出す生物です。すごい!
また、動物と植物の間に位置する生物です。
どちらにも振り分けられない理由としては、以下があげられます。
- 動物の様にエサを食べるし、移動する
- 植物の様に光合成が可能(葉緑体を有している)
そんなミドリムシの可能性に着目し、
様々な環境問題を抱えた社会に解決策を見出そうとしている
ユーグレナの事業内容をご紹介します。
ユーグレナの事業内容
ユーグレナの事業内容としては、主に以下の2つです。
- ヘルスケア事業
- バイオ燃料事業
冒頭から説明している、ミドリムシを活用したエネルギー生産については
「バイオ燃料事業」に記載いたします!
事業内容①:ヘルスケア事業
この事業は、ワカメ等の藻類とされるミドリムシを健康食品として販売したり、
約60種類もの栄養素を持つユーグレナをスキンケア商品として販売しております。
(ざっくりとした解説ですみません…)
事業内容②:バイオ燃料事業
この事業は冒頭から紹介している通り、
日本が産油国となる可能性を秘めた事業となります。
ユーグレナさんは、なんと体内に油を生成するミドリムシと、使用済み食用油を原料とした、
バイオ燃料「サステオ」の開発に成功しました!
ミドリムシを原料に油を生成することが出来ることに驚きを隠せません!すごい!
また、環境に良い、非常にサステナブルな燃料だと感じることとしては
①.ミドリムシが光合成 →二酸化炭素を吸収し、酸素を排出
②.ミドリムシから油を抽出し「サステオ」を生成
③.「サステオ」を使用し、エネルギー生成(発電など) →二酸化炭素発生
④.前段の③で発生した二酸化炭素をミドリムシが光合成で吸収し、酸素を排出
上記のサイクルを回すことで、③で二酸化炭素を排出するが、
①で二酸化炭素を吸収し、酸素を排出しているので、
二酸化炭素の排出についてはニュートラルな状態(プラスマイナス0)が保たれるというところです。
以下の図ような循環イメージ
ミドリムシから油の抽出方法
ここからは個人的な推測になります。わからないなり調べてみたので、以下に記載します。
ミドリムシは、光合成によりパラミロンという糖を細胞内に溜め込みます。
パラミロンを溜め込んだミドリムシを嫌気条件下に置くことで、
パラミロンをワックスエステルという油脂に変換するという特性があります。
酸素が無い状態でエネルギーを生産して生存していくためのミドリムシの戦略であると言われています。
糖を油に変えるなんて、食べ過ぎた糖が脂肪に変わる人間みたいですね。え。
油脂(ワックスエステル)を含んだミドリムシを濃縮し分離機等で
油とそれ以外に分離させるのではないでしょうか。
雑談ですが、ミドリムシは体積の約20%~30%が油みたいですよー!
国が進めている、”脱炭素”カーボンニュートラル
2020年の10月に、政府は目標として、
2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロ(カーボンニュートラル)にする、
と発表しました。
ザックリ簡単に言うと、
温室効果ガスの「排出量」から、
植物の光合成などによる温室効果ガスの「吸収量」を引いた合計を、ゼロにするということです。
このまま地球規模での気温上昇が進み続けると、
気象の変化による災害のリスクが高まると予想されています。
サステナブルな社会を目指す動きが、将来、より明確になって、
国としても具体的な対策を提示してくるかもしれません。
その時に、ユーグレナさんは先頭にたって
サステナブルな社会への道を進んでいけるのではないでしょうか。
ユーグレナさん、追い風が吹いてますね!
バイオ燃料の使用例
先ほどから紹介しているバイオ燃料「サステオ」が実社会のどこで使われているかをご紹介いたします!
使用例①:都営バス
2023年1月25日から、サステオを使用して運行する都営バス、58両が運行を開始しました。
小池都知事、流石ですね。
使用例②:都営空港調布飛行場
なんとなんと、サステオを使用した定期旅客便が
2023年3月30日と3月31日の二日間、運行しました!
なんと陸だけでなく、すでにサステオで空を飛んでいた!
ミドリムシで空を飛ぶ時代なんですね。
使用例③:大型高速RORO船
なんとなんとなんと、サステオを使用して、海での実証試験航海を開始しています。
しかも、首都圏と九州を結ぶ大型船での実証実験。
陸・海・空と着実に活躍の場を広げていますね!
まとめ
目には見えない、動物なのか植物なのか判別しにくいミドリムシですが、
その可能性を追求し、カーボンニュートラル、サステナブルな社会に向けて、
確かな技術力を持った面白企業が日本にはあります。
そんな会社が社会の、国の追い風を受け世の中を変えていく
その瞬間を見逃さないように、これからもウォッチしていきます。
やっぱりミドリムシみたいに、目に見えないところが大事だということがわかりました。
え。
最後にユーグレナさんの公式HPを載せておきます。
気になる方はどうぞ。
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